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エネ女(えねじょ)の集いから考える

2012.
02.21

枝廣さんのところから、先日の「エネ女(えねじょ)」の報告が届いた。

「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」のメンバーに女性が少ないとのこ
とから、女性の視点をもっとクローズアップしてみようという目論見。
この基本問題委員会、枝廣さん含め女性メンバー4人の内3人が環境ビジネスウィ
メンメンバーでもあったことから、ウィメンとしても「エネ女」に協力しましょ
うということで、集客協力。約100人の女性が集結。

私自身は、遅刻&早退で実質1時間も参加できなかったが、グループワークに加
わってみて感じたこと。

1.経済成長を前提にエネルギー政策を考えることに疑問を持つ人がとても多い
=>私もそう。GDP成長を背景にシステムを考えていくこと自体に有意性を感じ
ない。過去の成長率と社会的メリットとの連関性を提示してくれないと、今後は
ますます説得力を持たなくなると思った。

2.原発のみならず、火力発電をはじめとする他の電源インフラに関するリスク
情報を求める人が案外多い。
=>これも同感。ガスパイプラインだって爆撃されれば怖い存在。

3.再生可能エネルギー志向の強さ
=>勿論これが理想!特にエネルギーは使う人が相応のリスクを負うのがベスト
なのは言うまでも無く、フクシマは使う人とリスクを負う人が乖離してい
たのが問題を複雑化したことは誰もが理解している。

以上三点が印象に残ったこと。
詳細はこちら↓の「資料6」
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/11th.htm
枝野大臣からもコメントが届いたという。

それにしても、エネルギーのリスクや地産地消を考えるとき、絶対に知っておい
て欲しいのが日本の電力事業の歴史的変遷。地産地消のエネルギーシステムに多
くのコミュニティリスクや経済的リスクが偏在してしまい、結果事業体が収斂せ
ざるを得なかったこと。

戦前にはピーク時に800社を超える電気事業者が存在した日本の電力事業は、完
全な民営主導で今の農協が電気事業を担っていた。
民営故の競争原理で業界が成り立ったが為に秩序や理念は乏しく、収益性ばかり
が重んじられコストの見合わない農山村は放置されることも多分にあったという。

当時の日本は、今で言う理想の「地産地消型電気事業」が乱立していたが、
経営力が無いくせに有象無象の個々が収益性ばかりを追求しすぎ、地域に強制労
働まで強いたりする粗悪な事業体も少なくなかった。

このような状況打破の結果としても電気事業の再編があったわけで、現体制に至
る。
勿論時代と社会環境が変わっているのにそのままでいいわけは無く、システムを
変えていかなければならないのは言うまでも無いが。。。
せっかくのシフトの時、冷徹に合理的に政策判断していかないと、結局当時に戻
りかねない、と懸念する最近である。


鈴木敦子 ■admin ■comments (0)

横浜国立大学リスク研究グループによる福島放射能対策提言

2012.
02.21

横浜国大の金子信博先生からご案内いただきました。
全員科学者による包括的な福島放射能対策は希少です。
特に「環境リスク」の観点から、現実的かつ冷静な提言が期待できますから是非
お勧めです。
http://gcoe.eis.ynu.ac.jp/wp/

===ここから転載===
まもなく東日本大震災の発生から、1年を迎えようとしています。福島第一原
子力発電所事故による放射能汚染は、長い期間にわたって多くの人々が直面して
行かなくてはならない甚大な影響を及ぼしています。私たちは環境や生態系にお
けるリスクについて、これまで様々な角度から研究をしてきました。放射能汚染
の専門家はおりませんが、放射能汚染のリスクについて、これまでの研究成果、
および事故後さまざまなソースから得られた情報を元に検討いたします。

日時:2012年2月29日(水)10:00-17:00
場所:横浜国立大学 環境情報1号棟305(建物番号S7-5)
目的:学内の体制整備、今後の研究方針に生かせる環境リスクの考え方を示し、
福島の農林水産業と私たちの暮らしの今後のあり方について、環境リスク研究拠
点として役に立つ情報発信を行う

10:00-10:15はじめに 藤江幸一(YNU安心・安全の科学センター長)
10:15-11:45(各30分)司会 益永茂樹
伊藤公紀(YNU)「原子力・エネルギーの今後」
斎藤昌幸・土光智子・小池文人(YNU)「情報不足の中で野生生物への放射線リスクを予測する」
金子信博・中森泰三(YNU)「生態系が変える汚染物質の動き」
12:00-13:00 休憩
13:00-15:00(各30分)司会 金子信博
松田裕之(YNU)「海と湖の水産物のリスク」
岡 敏弘(福井県立大)「リスク便益分析をどう使うか―食品中放射性物質基準の決め方―」
岸本充生(産総研)「リスクガバナンスの失敗学:混乱の原因と次への準備」
斗ケ沢秀俊(毎日新聞)「リスクコミュニケーションはなぜ失敗したのか」
15:00-15:15  休憩
15:15-16:30  司会 松田裕之
総合討論
コメンテーター山下廣順(名古屋大学名誉教授、JST)
16:30-17:00まとめ

主催:横浜国立大学グローバルCOEプログラム「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」
共催:JST環境リーダー育成プログラム「リスク共生型環境再生リーダー」

問い合わせ先:
横浜国立大学グローバルCOEプログラム「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」事務局
〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79—7 横浜国立大学環境情報研究院101室
TEL : 045-339-4469 FAX : 045-339-4497 e-mail : er-coe3@ynu.ac.jp
===ここまで===


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PresentTree for山武(さんむ)の森、スタート

2012.
02.15

千葉県は「さんむ日向の森」でのプレゼントツリーがスタートします!(^^)v

来る3月4日の日曜日がキックオフイベント。
山武市長以下、地元の方々と共に植樹体験をはじめとした森造りイベントを行います。
http://presenttree.jugem.jp/?eid=97

都市からの申込者が圧倒的に多いPresentTreeでは、北は北海道から南は宮崎ま
で、現在までに国内で18カ所で森林再生を実施中で、都市と山間地との交流人口
増大へも寄与していると自認していますが。。。

4日の山武での植樹イベントは地元市民が100名も集まる予定で、多勢に無勢の懸
念あり。(^^ゞ

是非この機会にサンムの森を見にいらしてください。とても美しいところです。


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自社故のCSR

2012.
02.06

本業とかけ離れたCSR施策が目立つ。故に、CSR部門以外から理解を得られないと
悩む企業が多い。

そのような中、昨年の3.11 への支援策検討のプロセスは、自社のCSR の在り方
そのものを振り返る良いきっかけにもなったといえる。

以下、3.11対応での「本業を通じたCSR施策」の一部を紹介する。

詳細はこちら。
http://www.ebagency.jp/mediapdf/media_14.pdf

① ㈱セブン&アイ・ホールディングス
 物流インフラの強みが発揮され、業界最速の
支援物資提供。

② ㈱伊藤園
 「工場や倉庫にある商品は、非常時には救援物
資に変わるものという認識が全社員に浸透」し
ているが故に震災後わずか3 日間で60 万本も
の飲料水を配布。

③ ヤマトホールディングス㈱
 宅急便1 個につき10 円の寄付(平成23 年4
月~平成24 年3 月)。

④ 本田技研工業㈱&パイオニア㈱
 ホンダが会員向けに運営している「インター
ナビ・プレミアムクラブ」及びパイオニアの「ス
マートループ渋滞情報」の搭載車両から収集し
た走行軌跡データに基づき、ホンダが作成した
通行実績情報を「Google Crisis Response」自動
車・通行実績情報マップと「Yahoo! 地図」道路通
行確認マップで公開して、被災地域の移動支援
を実施。

⑤ ヤフー㈱
 Yahoo! ショッピングへの出店ストアから、被
災地で必要とされている物資(商品)を原価で提
供、「被災地へのギフト」としてYahoo! ショッ
ピング上で販売。

これらは全て当該企業だからこそ実施できた施策。「自社故に講じるべき・講じることができるCSR」を今一度真剣に考える時である。


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