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国有林野事業業務研究発表会
12.22
昨年から、日本林政ジャーナリストの会の役員を引き受けている関係で、林野庁の国有林野事業業務研究発表会の審査員を務めている。
プレゼントツリー活動の中では、各地の森林組合をはじめとする林業関係者と交流があるが、この研究発表会や研究内容について、殆ど知られていない様子。大変有意義な内容なのに、勿体ないことしきり!
この度、発表内容が掲出されたので、森づくり関係者達には是非ともご覧頂きたい。
国土の約67%が森林で、その内およそ3割を占めている国有林を管理しているのが各地の森林管理局(旧: 営林局)とその下の森林管理署(旧: 営林署)、所謂林野庁の地方支分部局。
地域連携の森づくりや林業低コスト化、木材利用促進や獣害対策、生物多様性保全など様々なテーマで技術開発や試験研究に取り組んでいる。
中でも、今年最も興味深かったのが、鹿の獣害対策として防護柵を設置する際、造林地の外周を一括して囲う「周囲柵」、複数の区域に分けて防護柵を設置する「ブロック・ディフェンス」、植栽木を1本ずつ単木保護資材で覆う「単木保護」、3つの防護方法について、実施箇所の植栽木の経過の検証およびコスト比較を行った案件だ。ブロックディフェンスが合理的だと言える結果が公表されている。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/gyoumu/gijutu/kenkyu_happyo/R6/attach/pdf/R6_happyo-50.pdf
プレゼントツリーの協働先の中で、効果が無いのを分かっているのに、ずっと周囲柵を貫こうとする森林組合がある。理由は「補助金の関係で、外周を一括して囲う方法(周囲柵)以外は、会計監査に通りにくいからやりたくない」とのこと。(苦笑)
今回のようなデータを是非とも広く知らしめていただき、本当に有効な策に公金が使われることを強く願う。