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豪雨被災地で考えさせられたこと

2022.
03.05

先週末やっと、熊本県球磨村のプレゼントツリーの森の被害状況の確認に入ることができた。
コロナ禍でもあり、生活再建が最優先されるべきタイミングでの東京からの往訪は迷惑になるとの判断から、令和2年7月豪雨から1年半余りも間を空けての踏査となったが、JR肥薩線や国道219号線など球磨川両岸の道路や線路の復旧は未だ手つかず。本当に大変な被害だったのだと、地元のご苦労を改めて想像すると共に、そんな状況下で森の様子を報告して下さった協働者の方々の熱意に心底頭が下がる。

一方、美しい球磨川が見えなくなる程高いコンクリートの堤防の連なりに、かつての美しい景観を思い出してショックを受けた。

案内してくださった球磨村森林組合の方曰く、「嫌だけれど、命を守るためには仕方が無いこと」
その通りだ。命以上に大切なモノはない。

けれども、川も海も水害が起こる度に、より高い堤防が築かれていくが、そこで押しとどめられた「水のエネルギー」は必ず別の場所に向かって発散しようとする。豪雨が激しくなる昨今、水害エネルギーの堰き止め方について、もっとたくさんの選択肢が用意されるべき気がする。

東京生まれ東京育ちの私は水害に縁が無いと思われがちだが、幼少の頃は近所の神田川がよく氾濫していたので水害の怖さは多少なりとも経験している。

急峻な日本は、土木技術と自然とのいたちごっこによりインフラが整備されてきているが、地域住民はもとより多くの人々の参画の下智慧を結集し、ダムや堤防の在り方を抜本的に見直す時代なのではないか。

PS.球磨村森林組合の丁寧な保育のお陰様で、プレゼントツリーin球磨村の森は、大きな被害も無くスクスクと育っています♪


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人獣共通感染症(ズーノーシス)予防法に、サバイバル力を想う

2020.
04.25

森のイベントなどでは、再三、口を酸っぱくして「長袖長ズボン着用!」と注意喚起する。マダニやスズメバチなど、森には危険な生物が付きものだからだ。それでも、時々、半ズボンやノーズリーブで山に入る参加者がいて困ることがある。

森のイベントの主催者だから長袖長ズボンが当たり前になったわけではなく、幼い頃から、自然界には危険が付きもので、その中に立ち入る際には守るべきルールがあり、他の生き物との接し方には気をつけなければならない、ということを教わってきた。

山に入るときは肌を隠す、絶対に近寄ってはならない生き物がいる、トカゲやカエル、ひな鳥等どんなに安全そうな小さな生き物でも、野生の動物に口を近づけない、動物を触った手は必ず洗う、、、etc。

人獣共通感染症(ズーノーシス)で、年間270万人が命を落としているという。
この記事にはその予防法が出ているが、特段目新しいことではない。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/040300214/?P=1

我々人間も125万種の生物の一種に過ぎない。他の生き物との賢い付き合い方、自然界との距離感等、謙虚に見直すべきで、正にサバイバル力が試されている。

さまざまな自然体験と共に、しっかりサバイバルを教えてくれた亡き両親に感謝すると共に、改めて、娘に・次世代に伝授することの大切さを感じる自粛月間である。#StayAtHome


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千葉県山武市に在るプレゼントツリーの森視察

2019.
12.24

9月の台風15号の被害状況を確認したくとも、その後続いた豪雨暴風により、なかなか叶わなかった、千葉県山武市にある「プレゼントツリーforさんむ日向の森」の視察。年末慌ただしい時期とは知りつつも、里親さん達から記念樹たちの消息を訊ねられることも多かったのと、千葉県の北部林業事務所さんからの面談依頼があったのでそれを兼ねて、御当地のカウンターパートである「さんむフォレスト」さんにお付き合い頂き、森の被災状況を確認して参りました!

プレゼントツリー日向の森入り口の看板は、9年の月日による腐食も相俟って、あっけなく倒れていましたが、、、

 

木々達は、杉ゾーン、ヤマザクラゾーン、広葉樹混交ゾーンともに、お陰様で台風の被害は殆ど無くすくすくと育っていました。

間もなく、里親さん達との約束期間である10年の節目となるこの森は、気候変動の象徴のような森となってしまいましたが、だからこそ、どのような形で後世に残していくか?真剣に考えるべきタイミングと考えています。

さんむフォレストさんたちとは、「来年は、次の10年のための森づくりを考えるイベントをやろう!」となりましたので、皆様乞う御期待♪



朝日新聞にてグリーンラッピングをご紹介頂きました!

2019.
03.14

3月5日付朝日新聞eco活プラス面にて、プレゼント・ツリーの長年の支援者であ
る、そごう・西武さんのグリーンラッピングの取組みがご紹介されました。
詳細はこちら

そごう・西武では2009年から、贈答シーンにエコ活動を載せた「グリーンラッピング」
を展開しています。
ギフト包装を「グリーンラッピング」でご依頼いただくと、100円でリーフ型の
チャームをご購入、そのうち50円がPresent Treeに寄附されるしくみです。

09年に始めて、今年でちょうど10年。

息長い活動により、今までに北海道、山梨県、千葉県、宮崎県、熊本県、岩手県
のプレゼント・ツリーの森に、計13,420本の樹を植え、育てて頂いており、毎年
同社労働組合の皆様が森の活動に参加、各地との交流を続け、森だけでなく地域
丸ごと元気にしてくださっています。

皆様も、グリーンラッピングでのギフトはいかがですか?


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初の試み!indoor里山!

2019.
02.27

里山の再生~有効活用の必要性」の普及啓発のため、里山に眠ったまま忘れ去られている「在来種の種=シードバンク」から育てたグリーンを、様々なシーンで置いて頂く意義についてご説明させて頂いています。

そのような中、よくご相談を受けるのが「室内で観葉植物替わりに置けますか?」というもの。従来は、ずっと「室内はお勧めしません」とお応えしていたのですが、、、、

企業や団体での「ミニ里山BONSAIづくり」のワークショップが回を重ねる内に、ご自身の創った小さな里山をデスクの上で育てる方が増えており、その里山BONSAI達がどれも立派に美しく育っているのを見るに付け、「時々外に出して光と風に当てれば大丈夫かも」との認識に至りました。

 

写真:左)当社の会議テーブルの里山BONSAI、右)ワークショップの様子、下)約1年半デスクで育ったミニ里山

 

そこで、本格的な実験へのご協力に名乗りを上げて下さったのが、京橋は東京スクエアガーデン6階の「シティラボ東京」さん。「indoor里山」を設置させて頂き、室内環境でもしっかり育つのか?実験中です!

この実験は、ランドスケープデザインや都市・建築のサステイナビリティに関するコンサルティングで有名な(株)ヴォンエルフの取締役、永積 紀子さんに御指導頂きながら進めております。

8月に設置し始めて約半年が経とうとしていますが、今のところ大きな問題点は無さそうで、シティラボ東京のアーバニストの皆様の心のこもったお世話により、とてもすくすく育っています。

写真:シティラボ東京でのindoor里山の様子

オフィスワーカーの生産性向上と、心身の健康への配慮は喫緊の課題であり、様々な調査データの裏付けにより、オフィス空間の質が労働の質を左右するといわれ始めています。そのような中、オフィスにおける「バイオフィリックデザイン※」への期待が高まっています。
人の健康やウェルビーイングと執務空間との関係を規定する第三者評価制度であるWELL Building Standard(WELL)でも、心の健康を向上させるためのバイオフィリックデザインが評価に含まれています。

indoor里山は、室内のバイオフィリックデザインに、我々日本人が古くから慣れ親しんだ日本の里山に自生するトレーサビリティが確保された苗と、国産材による器を取り入れるものです。さらに、オフィスワーカーと里山保全活動を繋げることで、環境保全と健康の向上に寄与します。WELLでは、寛大な行動やボランティア活動が、健康とウェルネスに好影響をもたらすと結論付けており、「こころ」の評価のカテゴリーの加点項目96「利他的行為」では、ボランティア活動への参加や慈善団体への寄付を評価しています。

さらに、このindoor里山は、室内のバイオフィリアと、里山保全活動を合わせてご提案することで、SDGsへの取り組みも応援します。

お近くにお越しの際には、是非シティラボ東京にお立ち寄り下さい。

indoor里山について

※バイオフィリック・デザインとは、自然を感じられる環境を、建築やインテリアで再現する取り組みのこと

写真:上)シティラボ東京・アーバニストの方と打合わせするアーバン・シードバンク事務局・石森
下)ヒサカキにカイガラムシが付いてしまったため一部入れ替え

 


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北海道で、新しいPresentTreeがスタート

2018.
10.26

お待たせいたしました!北海道で、新しいPresentTreeがスタートしました。

北海道のプレゼントツリーはずっと人気で、毎年すぐに満員になってしまい、今年もずっと受け入れを中止しておりましたが、やっと再開できます。

今回の場所は、大自然が拡がる中川郡中川町。エゾシカやキタキツネ、オジロワシ、、、沢山の生きものたちに遭遇する町です。

毎年秋には町民参加による植樹祭が行われており、これに参加させて頂きつつ、併せて「プレゼントツリーin中川」の協定締結式を実施して参りました。

PresentTreeが目指しているのは「新しい林業」です。木を切って材として売って商売にするだけでなく、「そこに自分の記念の樹があるから、人々がその地を訪れ、地域を豊かにしていく」という森の新たな活用法を目指しています。

100年後、日本の人口は三分の一になると言われています。そのときに、森はどうなるのか?私たちはそれを本気で心配しています。

基本的に、人・物・金・情報が上手く循環し続けてさえいれば、国や地域の活力は衰えないと思います。他のどの国よりも急速に少子高齢化が進み人口減少の道を辿る日本、どの国よりも個人の現預金比率が高い日本が、世界のモデルとなるべく「活力ある未来社会」を実現するため、如何に「人とお金を循環させていくか?」のビジネスモデルの社会実験として、プレゼント・ツリーを展開しています。
ゆえに、各地のPresentTreeでは、拡大造林時代の前の時代の森を復活させるお手伝いをしています。人の手がかかりすぎないように、です。そうすると広葉樹が主体の森づくりになります。

中川町では、広葉樹主体の林業を脈々と続けてこられ、その価値を高めるための「新たな林業」を模索しているとお聞きし、更に200年先の林業を本気で考えていると伺い、これはPresentTreeとしてお手伝いのし甲斐があるな、正にPresentTreeが目指す所そのものだな、と、協定を決めました。

プレゼント・ツリーの森、ひとまずは10年御当地とお付き合いし続けるのが最たる特徴です。200年までまだまだですが、今後10年間、中川町でのプレゼントツリーの森づくりが続きます。

皆様、どしどしご参加ください。植樹イベントは来年の秋です。乞う御期待!



小池百合子都知事への公開ブリーフィング

2016.
12.05

オリパラ2020における環境・持続可能性への取組みは全く進んでいません。その現状を憂う声が多方面から集まっているので、「環境先進都市」を標榜する小池百合子都知事にエンジンを掛けて頂くための公開ブリーフィングを、関係各位結集の上実施しました。http://www.renewable-ei.org/activities/events_20161204.php

東京2020オリンピック・パラリンピックは、長年我が国が積み上げてきたサスティナブルな知恵と技を結集し、成熟国家・都市としての五輪の在り方を広く世界に発信すべき時です。しかしながら、開催まで4年を切る中、街づくり・持続可能性委員会からの提言をはじめとする環境配慮対策は一向に進む気配を見せず、各方面から焦りの声が聞こえてきます。

そこで、我々サスティナブル・ビジネス・ウィメンとしては、その焦りの声の主達に「我らが生みの親である小池都知事は、本気で環境最先端都市としての五輪を目指しているのだから、懸念される現状についてしっかり共有する場を設けるべき」と提案し、実現したのがこの公開ブリーフィングです。

2020年大会の準備については、会場の位置決定や経費削減について、IOCを含めた4者協議の下、小池知事のリーダーシップもあって迅速に進みつつあります。ようやく、「オリンピックアジェンダ2020」に掲げられている「オリンピック競技大会のすべての側面に持続可能性を導入する」という工程に差し掛かってきと言えましょう。
オリンピックの競技関係の経費は相当に合理化がなされてきたと承知しており、1都民・国民として、とても嬉しく頼もしい限りです。
ややもすると、環境対策の経費は、お飾り扱いされて削られてしまいがちですが、オリンピック憲章では、持続可能性は手段では無く目的とされています。全体の無駄遣いが削減されつつある中、ようやく、その目的達成の十分な可能性が出てきたのではないか、と知事を支持してきた私どもサスティナブル・ビジネス・ウィメンとして、大いに期待をしております。

今年8月にパブコメが終了した、「東京2020競技大会・持続可能性に配慮した運営計画」第一版(案)は、今のところ残念ながら具体性はありません。これを受け、来年前半に準備が進むと思われる第二版が、具体的な目標などを掲げる予定であり、その内容の作り込みが極めて大切になっています。
計画は、組織委員会が作成するものですが、東京都や政府もその実行の責任ある主体とされています。また、組織委員会の理事会、経営会議には都も正式なメンバーとなっており、小池知事におかれては、是非、本日の情報も踏まえ、「環境最先端都市」東京でのオリンピックとして、恥ずかしくない環境対策、持続可能性に向けた対策を実現して頂けるよう、益々のリーダーシップを発揮していただきたいと強く念じております。
嬉しいことに、組織委員会の持続可能性部、内閣官房や環境省の方々、そして東京都のご担当セクションも来場。関係各位、一致団結して持続可能性への取組みに邁進して頂きたいと願っております。