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熊本県山都町の植樹祭で思うこと

2022.
04.02
先週は、熊本県山都町での二カ所目のプレゼントツリー植樹祭でした。九州では昔から、皆伐放棄地(かいばつほうきち)問題が深刻です。
プレゼントツリーを始めたのは2005年。
当時の日本の木材自給率は20%程度しかありませんでした。価格競争力が無く輸入材に負けていて、結果、木を伐った後再植林するコストが捻出できず、はげ地のままの面積が拡がっていく「皆伐放棄地」が問題になっていました。そんな場所を元の自然の森に戻していこうとスタートしたのが国内のプレゼントツリーです。
それから17年。国が様々な政策を進めてきたお陰で、今の日本の木材自給率は40%にまで回復しています。
でも、国産材利用率が上がったので全国の皆伐面積は年々拡がり、そこにまた樹が植えられている(再造林)面積はその3分の1までしか追いついていません。今はコストの問題よりも担い手不足が深刻です。
更に最近ではコロナをきっかけに、世界中が「ウッドショック」に襲われ、木材が足りないから盗伐事件も後を絶ちません。
その間、気候変動が進み、大きな自然災害が頻繁に起こるようになってしまいました。
先月、やっと同じ熊本県は球磨村にあるプレゼントツリーの森を確認してきましたが、2020年に甚大な豪雨災害にあった地域に、15年前に植林したその森があります。
やはり皆伐した場所は軒並み崩れていましたが、再造林して天然林の形に戻したプレゼントツリーのエリアは殆ど無傷でした。
だから、プレゼントツリーを植えています!
少子高齢化、人口減少が進む日本。各地の森では益々担い手不足が深刻化します。
でも、全国の森づくりに都会の人たちも大勢で関わることで、皆伐面積を減らしていけると信じています。
はげ地を森に戻せば、土砂災害防止にもなる、生き物たちも住める、二酸化炭素を吸ってくれて綺麗な酸素や水も作ってくれる。いいことづくしです。
狭い日本!森はみんなの森です!#PresentTree

鈴木敦子 ■admin ■comments (0)

豪雨被災地で考えさせられたこと

2022.
03.05

先週末やっと、熊本県球磨村のプレゼントツリーの森の被害状況の確認に入ることができた。
コロナ禍でもあり、生活再建が最優先されるべきタイミングでの東京からの往訪は迷惑になるとの判断から、令和2年7月豪雨から1年半余りも間を空けての踏査となったが、JR肥薩線や国道219号線など球磨川両岸の道路や線路の復旧は未だ手つかず。本当に大変な被害だったのだと、地元のご苦労を改めて想像すると共に、そんな状況下で森の様子を報告して下さった協働者の方々の熱意に心底頭が下がる。

一方、美しい球磨川が見えなくなる程高いコンクリートの堤防の連なりに、かつての美しい景観を思い出してショックを受けた。

案内してくださった球磨村森林組合の方曰く、「嫌だけれど、命を守るためには仕方が無いこと」
その通りだ。命以上に大切なモノはない。

けれども、川も海も水害が起こる度に、より高い堤防が築かれていくが、そこで押しとどめられた「水のエネルギー」は必ず別の場所に向かって発散しようとする。豪雨が激しくなる昨今、水害エネルギーの堰き止め方について、もっとたくさんの選択肢が用意されるべき気がする。

東京生まれ東京育ちの私は水害に縁が無いと思われがちだが、幼少の頃は近所の神田川がよく氾濫していたので水害の怖さは多少なりとも経験している。

急峻な日本は、土木技術と自然とのいたちごっこによりインフラが整備されてきているが、地域住民はもとより多くの人々の参画の下智慧を結集し、ダムや堤防の在り方を抜本的に見直す時代なのではないか。

PS.球磨村森林組合の丁寧な保育のお陰様で、プレゼントツリーin球磨村の森は、大きな被害も無くスクスクと育っています♪


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DoNutsTokyoのご紹介

2021.
11.23

DoNutsTokyo、11月21日(日)に、やっと第一回交流会を開催することができました!

DoNutsTokyoは、元々東京2020大会を世界に冠たるSustainableな五輪にするため、対策案を練ったり、協働体制を構想したり、人の派遣の申し入れをしたり、2020大会独自手法でお金を集められないか?IOCに質問状を送ってみたり、、、etcを画策してきたメンバー達が立ち上げたプロジェクトで、そのメンバー達が実行委員やアドバイザーとして関与しています。

残念ながら、コロナの影響で元の活動は下火になってしまいましたが、そのときに練ってきた策、最も注力すべきイシューとして準備してきた「オリンピックを契機に加速させるべき、2050年脱炭素に向けたアクション=市民・生活者のライフスタイルをガラリとSustainableにするための変革のネタを集め、実現するためのプラットフォーム」、「産官学民すべてが参加できる場」を運営する、これが現DoNutsTokyoです。

にっくきコロナの所為で、何から何まで遅れている本プロジェクトは、足かけ二年で漸く立ち上がったのが昨年。東京都との協働事業で昨年から予算を付けて頂いているのですが、中々動けず今年6月にやっとリリース。そこから5ヶ月経って漸くこの度、関係者がリアルに集まれる場が初めて設営されたという次第です。

実行委員もアドバイザーも、やっと参加者を本格的に集めるためのアクションを起こすことができるようになりました。その中で、メンバーたち満場一致で同意しているのは、「DoNutsの今の一番のウリはアンバサダーの皆さん」ということ。

そのZ世代の若いアンバサダーさんたち、今迄にもオンラインでは交流してきましたが、実際に会ってみれば、本当に粒揃い!

2050年に向けてどうやって舵を切ればよいか?悩んでおられる企業の方々へ。DoNutsTokyoに参加戴ければ、「自社のゼロエミッションの課題と魅力をアンバサダー目線で引き出し、新商品・サービス開発やPRでの共創活動」が叶います。

ポイントは、
1.次世代の価値観を持つZ世代を巻き込んだマーケティングが可能
2.それぞれの分野でリーダーシップを発揮するアンバサダーさんたちと忌憚のない意見交換が可能
3.その対話プロセス自体もPR要素となる
です。

そして、それらアンバサダーさん達を支えるのが、元若者!?のX世代のSustainableBusinessWomen(サスビズウィメン)たち。

小池百合子環境大臣(当時)時代に結成された環境ビジネスウィメンは、ちょうど今のZ世代の頃に、環境問題解決のために起業した元気な女性経営者たち♪

ジェネレーションXとZとがタッグを組んで、「ゼロエミッション東京」の実現に向けた価値共創に挑みます!
ご興味ある方はこちらから。

サスビズウィメンの三人もトークセッションに。左から、梅原由美子さん(Value Frontier(株)代表取締役)、薗田綾子さん((株)クレアン 代表取締役)、木村麻紀さん(ジャーナリスト)

協賛パートナーのSEETHESUN代表の金丸美樹さん、場所を提供戴いたSustainableな外食産業~まちづくりを目論む(株)ゼットン鈴木伸典社長や、アンバサダー13人に囲まれて。 我々サスビズウィメン4人もパワーチャージ!

 

 



東日本大震災から10年の節目に

2021.
03.05

3.11、復興10周年事業への協力のため要急の案件があり、福島県広野町へ。
タイミング良く、二ツ沼総合公園内のパークギャラリーでは、東日本大震災・原発事故アーカイブ展がスタートしていたので立ち寄りました。
10年間の軌跡を改めて垣間見、本当に長い時間を掛けてもの凄く頑張った末、やっと9割の帰還を達成したのだと、その努力を想像して心から感動しました。一方で、この町の北にはまだまだこれから同じような時間軸を辿らなければ、復興がままならない地域が広がっていることを、改めて重く受け止めました。

10年の節目や脱炭素の潮流などにより、原発への関心がいつも以上に高まる中、賛否両方から徹底的に議論を尽くすべきだと思いますが、絶対に忘れてはならないのが、ひとたび事故が起これば、これだけの長い時間これだけの広い地域で、沢山の人たちに苦労を強いるのが原発だということ。そして、行き場の無い廃棄物がたまり続けていくということ。
ベースロード電源をこの地に頼ってきた首都圏民として、襟を正す思いです。

帰り際、プレゼントツリー協働者・NPO広野わいわいプロジェクトの磯辺事務局長から、町の新たな交流拠点「ぷらっとあっと」をご案内いただきました。駅前で便利な明るく素敵なスペース♪
3.11のイベント時には時間が足らず叶いませんが、その次の機会にはここで色々な立場の方々とそんな議論もしたいなあ、などと思ったりも。

帰宅が遅くなってしまったので夕食代わりに?!お土産に頂いたみかんジュースを頂いたら、その美味しいこと!
「春を告げる町の象徴なのに、みかんにセシウムが出て出荷できなかったんですよ。」
根本理事長@わいわいプロジェクトが寂しそうに話されていたのがつい最近のような気がしていましたが、定量下限値未満になって久しく、兎に角嬉しく!なにより美味い!(^^)

 


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アーバンシードバンク里山BONSAIプロジェクト、5周年

2020.
09.01

多くの方々からのご協力の下にスタートした「アーバンシードバンク里山BONSAI」プロジェクトは、お陰様をもちましてこの度、5周年を迎えました!

1.外国資本に日本の放置林が買い漁られるというニュースが頻発していたこと
2.林業が衰退した自治体には、林業家も森林行政窓口も絶滅していること
3.人工林ではない里山には森林保全政策が行き届きにくいことから、放置里山が思いの外広がっていること
4.奥山と間違えて入り込む鹿やイノシシなどの獣害により、放置里山の土壌が流れやすくなり、結果、人家に近いということから砂防ダムが広がり景観が美しくなくなっていること
5.砂防ダムでは土砂災害を防止できないこと
6.里山の荒廃が広がることにより、日本の在来植物の絶滅危惧化が進んでいること
7.都市緑化に使われる緑の99%が外来種や園芸種であり、緑の質が問われていること

に拠り、なんとかしたい!と使命感に駆られ立ち上げたビジネスモデルは、相変わらず皆様の善意のみで支えられている、か弱きプロジェクトではありますが、それでも立ち上げの際ご協力いただいた中小企業庁・ものづくり補助金事務局の方からは今般の報告義務期間満了時に、絶大なるお褒めお言葉を戴きました。苦労が多かっただけに、素直に嬉しかったです。(^^)

そんなアーバンシードバンク、これまた「フォレスト・サポーターズ」さんのご尽力で、youTV「素敵音楽館」にてご紹介頂いています♪
https://www.house.jp/ongakukan/
だいぶカットされていますが、とても上手く纏めて下さっていて私の蘊蓄よりよほど分り易いです?!

是非ご覧ください!&里山BONSAIワークショップも引き続きよろしくお願いいたします。


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正しい知識で暑さ対策。エアコンの効きにくい今年の夏を乗り切りましょう!

2020.
05.18

新型コロナウィルスの影響が避けられない今年の夏は、「換気の悪い密閉空間」にしないため、「30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する」ことが推奨されており、冷房が効きにくいことが予想されます。

2011年夏、原発事故の影響からの超節電要請を背景に、環境省のスーパークールビズキャンペーンのお手伝いをした際、「エネルギーを使わずにどうやって快適な環境をつくるか?」について纏めたwebサイトを立ち上げました。それが役に立ちそうだと探してみましたが、、、見当たらず。もう閉じてしまったのですね。(^_^;)??

そこで、記憶を紐解き、そこに掲載されていた「人間が感じる温熱のメカニズムと対処法」について纏めてみます。暑さ対策の一般的な基礎知識ですが、本格的な夏到来前におさらいしておきましょう!

 

1.人は血流に乗せて熱を移動させることによって、深部体温を一定に保とうとする。

首、手首、足首、や脇の下、太ももの付け根、肘の内側や膝の裏などは、太い血管が皮膚の表面近くを通っているので、ここを冷やすと体温を効果的に下げることができます。熱中症の応急処置でもこれらの箇所を冷やすのはそのためです。
冷房が効きにくい部屋では、首や肘などに冷感タオルを充てるのが効果的。但し、即効性があるので冷やしすぎに要注意です。

 

2.人は汗をかいてその気化熱によって、深部体温を一定に保とうとする。

汗をかいて自分を冷やそうとする時、空気中の湿度が低ければ、水蒸気となった汗は素早く拡散され、熱が体から離れます。ところが湿度が高いと、汗の水蒸気が自分の周りから離れなくなるため、暑く感じます。だから、しっかり室内の湿度をCheckし、夏は60%以下をキープします。
麻や綿などの吸水性の良い自然素材や、最近の吸汗速乾素材を着るのも効果的です。
そして、寝ている間も人はコップ一杯分ほど汗をかいているといいます。就寝前にコップ一杯の水を飲むと夜間熱中症の対策にもなります。

 

3.人は汗腺が衰えると発汗による体温調節がしにくくなる

人は生まれてから思春期までの間に汗腺を発達させ、その後加齢に伴い汗腺機能が衰えていきます。また、汗をかく習慣がなくなっても汗腺機能は低下します。急に気温が上がるGWや梅雨明けなどに熱中症リスクが上がるのも、寒い間機能が低下していた汗腺が働きにくいためです。冷房に頼りすぎる生活でも汗腺は退化してしまいます。特に足と腕の汗腺は退化しやすいそうです。
汗腺を鍛え直すには、38~39度くらいのぬるめのお湯に「半身+腕」を15分間浸ける入浴法が効果的です。

 

4.基礎代謝が高い人は低い人より暑さを感じ易い。

基礎代謝が高い子どもの方が大人より、男性の方が女性より「暑がり屋さん」が多く、また、基礎代謝が衰える高齢者は、夏でも手足が冷えやすく冷房を嫌いがちです。同じ部屋に居ながら、寒がる人と暑がる人が居るのは代謝に拠るところも大きいのです。そのあたりを考慮した配置換えも有効です。
基礎代謝の低い高齢者は暑さを感じにくい上、更に汗腺が衰えているため熱中症にかかりやすくなります。本人の感覚に任せず、湿度計や放射温度計を組み合わせ、室内環境の上手なコントロールで、家族がケアしてあげることが重要です。

 

5.壁、天井、床、家具などさまざまな物から熱が放射されている。

「放射熱」は、窓やパソコン、コピー機など、身の周りのさまざまなものから発せられています。
最近はリーズナブルな放射温度計がたくさんあるので、デスクやベッド等自分の居場所周辺の物質温度を測って、熱を放射するモノを遠ざけるようにしてください。思い切って夏用に模様替えしてみるのもありです。

 

6.その他

人間の温熱の感じ方は、次の6つの要素に影響されています。①気温、②湿度、③気流(風)、④放射熱、⑤代謝量、⑥着衣量 それぞれの説明はこちらに詳しいので、ご覧ください。
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kuchosetsubikisokouza_0102/

暑い夏、空気の入れ換え必須の部屋で快適に過ごすためには、これら6つの影響を理解した上で対策を考えると効果的です。

医療現場に負担をかけないよう、今年の夏はいつも以上に暑さ対策が必要ですね。

熱中症予防対策については、こちら。
https://www.wbgt.env.go.jp/



人獣共通感染症(ズーノーシス)予防法に、サバイバル力を想う

2020.
04.25

森のイベントなどでは、再三、口を酸っぱくして「長袖長ズボン着用!」と注意喚起する。マダニやスズメバチなど、森には危険な生物が付きものだからだ。それでも、時々、半ズボンやノーズリーブで山に入る参加者がいて困ることがある。

森のイベントの主催者だから長袖長ズボンが当たり前になったわけではなく、幼い頃から、自然界には危険が付きもので、その中に立ち入る際には守るべきルールがあり、他の生き物との接し方には気をつけなければならない、ということを教わってきた。

山に入るときは肌を隠す、絶対に近寄ってはならない生き物がいる、トカゲやカエル、ひな鳥等どんなに安全そうな小さな生き物でも、野生の動物に口を近づけない、動物を触った手は必ず洗う、、、etc。

人獣共通感染症(ズーノーシス)で、年間270万人が命を落としているという。
この記事にはその予防法が出ているが、特段目新しいことではない。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/040300214/?P=1

我々人間も125万種の生物の一種に過ぎない。他の生き物との賢い付き合い方、自然界との距離感等、謙虚に見直すべきで、正にサバイバル力が試されている。

さまざまな自然体験と共に、しっかりサバイバルを教えてくれた亡き両親に感謝すると共に、改めて、娘に・次世代に伝授することの大切さを感じる自粛月間である。#StayAtHome


eba, Er, 森林, 鈴木敦子 ■admin ■comments (0)

コロナパンデミックに「食」を考える

2020.
04.18

SARSもMERSもエボラも、ウイルスの自然宿主がコウモリだと解っているのに、なぜ危険を冒してまでコウモリを食べたりするのだろう?

と、半ば批難めいた疑問を持つ人は少なくないだろう。

今回の新型コロナパンデミックにより、中国は、「危機が終息するまで野生動物の取引を禁止する」としている。その後どうするかは不明だが、中国は2003年にも、SARS大流行により野生動物の取引を一時的に禁止したものの、わずか半年後に再開してしまったという。

中国やアフリカなど一部の地域で野生生物の取引が根付いているのは、食文化だけの問題ではなく、野生動物の肉を売ることでしか生計を立てられない多くの人の存在があるからだ。貧しい人たちが、自分と家族が生き延びるために、目の前にある手段に飛びついてしまうのは、無理からぬ話だ。

新型コロナは、そのような人たちが、別の手段で生活の糧を得られるようにするための方策を、世界中で考えるきっかけを与えているような気がしてならない。

そして、外出自粛で、三食を家族と共にする時間も増えている今、

「何を食べるか、その食べ物が、どこから来たのか、作る過程で自然や環境を破壊していないか?健康を害するモノが投入されていないか?児童や奴隷の労働力が使われていないか?動物を虐待していないか?」

について、しっかり話し合うチャンスだと思う。

私たち1人1人が、世界を変えるために何ができるのか?
時間に余裕のある今だからこそ、家族とともに考えたい。#StayAtHome

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/013100069/?P=3
https://www.afpbb.com/articles/-/3278221?page=2



千葉県山武市に在るプレゼントツリーの森視察

2019.
12.24

9月の台風15号の被害状況を確認したくとも、その後続いた豪雨暴風により、なかなか叶わなかった、千葉県山武市にある「プレゼントツリーforさんむ日向の森」の視察。年末慌ただしい時期とは知りつつも、里親さん達から記念樹たちの消息を訊ねられることも多かったのと、千葉県の北部林業事務所さんからの面談依頼があったのでそれを兼ねて、御当地のカウンターパートである「さんむフォレスト」さんにお付き合い頂き、森の被災状況を確認して参りました!

プレゼントツリー日向の森入り口の看板は、9年の月日による腐食も相俟って、あっけなく倒れていましたが、、、

 

木々達は、杉ゾーン、ヤマザクラゾーン、広葉樹混交ゾーンともに、お陰様で台風の被害は殆ど無くすくすくと育っていました。

間もなく、里親さん達との約束期間である10年の節目となるこの森は、気候変動の象徴のような森となってしまいましたが、だからこそ、どのような形で後世に残していくか?真剣に考えるべきタイミングと考えています。

さんむフォレストさんたちとは、「来年は、次の10年のための森づくりを考えるイベントをやろう!」となりましたので、皆様乞う御期待♪



第15期の活動報告に代えて

2018.
07.14

認定NPO法人環境リレーションズ研究所は、お陰様をもちまして15期という節目の決算を完了しました。ひとえに、皆様方のご尽力の賜物と有難く厚く御礼申し上げます。

中核事業であるPresentTreeは、

1.中々動かない圧倒的多数「=一般生活者」をエコアクションに引っ張り込むインフラ

2.成熟社会における地方創生の在り方

の2点を目論み、他のどの国よりも急速に少子高齢化が進み、どの国よりも個人の現預金比率が高い日本が、世界のモデルとなるべく「活力ある未来社会」を実現するために、如何に「人とお金を偏在させずに循環させていくか?」の一つの社会実験として進めてまいりました。

認定NPO法人環境リレーションズ研究所で、この社会実験を担いムーブメントの素地を創り、上手くいったスキームを企業や団体の皆様の本業の中で活用頂くことを株式会社環境ビジネスエージェンシーでお手伝いしつつ、持続可能な環境施策を生み出し続けること、それが、私共のミッションです。この営利と非営利組織との両輪運営こそが強みだと、対外的にも訴求し始めてから12年目を迎え、やっとその意味が浸透して参りました。

10年間存続できる企業は約5%といわれますから、それなりに存在意義のある組織で在り、活動なのだと自認する一方、企業の寿命は30年といわれる中、30年後に残るために今何をすべきか?を模索し続けている昨今です。

首都圏のヒト達を各地方の森に植えた苗木の里親として、当地との10年間の交流を育み、森だけではなく地域丸ごと元気にしていく、という仕組みは、2005年1月スタート来順調に広がり続け、2011年の3.11発災直後は、長年の地域振興実績と相俟って、被災各地からの活動誘致が続き、2012年度の岩手県宮古市をはじめとし、2014年度に宮城県大崎市、2015年度に福島県広野町におけるPresentTreeが実現、被災三県における交流の森づくりは、お陰様をもちまして当初協定面積への植栽を前期にはほぼ完了、当期には面積の拡大、付随事業の展開などに発展中です。特に、当期まで3カ年に亘り蒔いた施策の種である「ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会」における浜通りの復興に繋がる事業化支援は、PresentTreeを通じた地元ネットワークが生かされ、来期には実を結ぼうとしています。

震災復興7年間で未だ7万人超が避難しているといわれているにも拘わらず、また、帰還困難区域においては、これからやっと除染が始まるというタイミングであるにも拘わらず、震災の事実は風化の一途を辿る中、PresentTreeの支援者の皆様が継続的に被災地の森づくりに足を運び続けること、その御縁が地域経済振興に寄与する事業化に繋がること、が地元からは大変期待されています。

一方、被災地以外でも少子高齢化が深刻化する地域でのニーズが根強く、引き続き「国づくり」の精神でPresentTreeを推し進めますので、ご協力をお願い申し上げます。

また、PresentTreeの森づくりの中で見えてきた新たな課題を解決するための、次の事業として立ち上げた”アーバン・シード・バンク” プロジェクトは、前々期にグッドライフアワード・環境大臣特別賞を受賞、そのお陰で当期はTBSの「EARTH Lab~次の100年を考える~」にてご紹介頂きました。全国各地の放置荒廃里山を再生するため、真っ暗な里山に未利用資源として眠り続けている休眠埋土種子(シードバンク)から苗を育て、都市の緑化に使うことで、都市の生物多様性を向上させ、里山に人と資金を流す仕組みである”アーバン・シード・バンク” も、これからの日本の発展のためのソリューションとして機能させて参りますので、併せて皆様からの変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。

以下、活動報告に代えて決算のポイントを申し添えます。(別添:認定NPO法人環境リレーションズ研究所 過去10期対比財務諸表 参照)

BSPL10期比較201803末現在_

1.経常収入について
1)経常収入の内訳については次のとおりです。

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
会費入会金収入 0.29% 0.13% 0.11% 0.14% 0.24% 0.04%
寄附金収入 57.91% 68.76% 84.02% 74.54% 72.49% 79.09%
補助金等収入 17.38% 15.20% 6.81% 7.71% 12.85% 10.81%
事業収入 24.41% 15.61% 9.04% 17.60% 14.37% 10.06%
受取利息(その他収益) 0.00% 0.01% 0.00% 0.01% 0.0% 0.00%
雑収入(その他収益) 0.00% 0.29% 0.02% 0.01% 0.04% 0.00%
100% 100% 100% 100% 100% 100%

2) 仕掛事業費の計上がNPO法人会計基準に馴染まないと判断された為、前期に会計方針を変更、10年間プロジェクトであるPresentTreeの支出が事業開始~3年目迄に偏るため経常減額となりましたが、10年間のストックにより活動費用が充てられています。

2.新年度の方針
2014年度、2015年度と、大口のご支援により順調に活動を拡げてまいりましたが、そこ迄で完結してしまったプロジェクトをカバーする取組みが適わず、今期も前期同様、事業ボリューム全体が2013年度並みに留まりました。引き続き、植栽地のバラエティを整えることにより、なんとか元に戻したいと思っております。また、PresentTreeの次の一手を探しておられる支援者の方々には、”アーバン・シード・バンク”による里山再生、生物多様性保全へのご協力をお願い申し上げます。 当所はこれからも、持続的な活動の拡がりのため、非営利活動と営利活動とをしっかりと両立して参ります。また、2015年1月スタートから、順番に償還期限(協定期間満了)を迎えるエリアが増えており、その後の維持存続の在り方については、それぞれの事情・背景に応じた丁寧な対応で臨んでおります。その結果、今現在は恙なく期限を迎えることができ、新年度も細やかな対応を心掛けたいと思っております。

以上