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正しい知識で暑さ対策。エアコンの効きにくい今年の夏を乗り切りましょう!

2020-05-18

新型コロナウィルスの影響が避けられない今年の夏は、「換気の悪い密閉空間」にしないため、「30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する」ことが推奨されており、冷房が効きにくいことが予想されます。

2011年夏、原発事故の影響からの超節電要請を背景に、環境省のスーパークールビズキャンペーンのお手伝いをした際、「エネルギーを使わずにどうやって快適な環境をつくるか?」について纏めたwebサイトを立ち上げました。それが役に立ちそうだと探してみましたが、、、見当たらず。もう閉じてしまったのですね。(^_^;)??

そこで、記憶を紐解き、そこに掲載されていた「人間が感じる温熱のメカニズムと対処法」について纏めてみます。暑さ対策の一般的な基礎知識ですが、本格的な夏到来前におさらいしておきましょう!

 

1.人は血流に乗せて熱を移動させることによって、深部体温を一定に保とうとする。

首、手首、足首、や脇の下、太ももの付け根、肘の内側や膝の裏などは、太い血管が皮膚の表面近くを通っているので、ここを冷やすと体温を効果的に下げることができます。熱中症の応急処置でもこれらの箇所を冷やすのはそのためです。
冷房が効きにくい部屋では、首や肘などに冷感タオルを充てるのが効果的。但し、即効性があるので冷やしすぎに要注意です。

 

2.人は汗をかいてその気化熱によって、深部体温を一定に保とうとする。

汗をかいて自分を冷やそうとする時、空気中の湿度が低ければ、水蒸気となった汗は素早く拡散され、熱が体から離れます。ところが湿度が高いと、汗の水蒸気が自分の周りから離れなくなるため、暑く感じます。だから、しっかり室内の湿度をCheckし、夏は60%以下をキープします。
麻や綿などの吸水性の良い自然素材や、最近の吸汗速乾素材を着るのも効果的です。
そして、寝ている間も人はコップ一杯分ほど汗をかいているといいます。就寝前にコップ一杯の水を飲むと夜間熱中症の対策にもなります。

 

3.人は汗腺が衰えると発汗による体温調節がしにくくなる

人は生まれてから思春期までの間に汗腺を発達させ、その後加齢に伴い汗腺機能が衰えていきます。また、汗をかく習慣がなくなっても汗腺機能は低下します。急に気温が上がるGWや梅雨明けなどに熱中症リスクが上がるのも、寒い間機能が低下していた汗腺が働きにくいためです。冷房に頼りすぎる生活でも汗腺は退化してしまいます。特に足と腕の汗腺は退化しやすいそうです。
汗腺を鍛え直すには、38~39度くらいのぬるめのお湯に「半身+腕」を15分間浸ける入浴法が効果的です。

 

4.基礎代謝が高い人は低い人より暑さを感じ易い。

基礎代謝が高い子どもの方が大人より、男性の方が女性より「暑がり屋さん」が多く、また、基礎代謝が衰える高齢者は、夏でも手足が冷えやすく冷房を嫌いがちです。同じ部屋に居ながら、寒がる人と暑がる人が居るのは代謝に拠るところも大きいのです。そのあたりを考慮した配置換えも有効です。
基礎代謝の低い高齢者は暑さを感じにくい上、更に汗腺が衰えているため熱中症にかかりやすくなります。本人の感覚に任せず、湿度計や放射温度計を組み合わせ、室内環境の上手なコントロールで、家族がケアしてあげることが重要です。

 

5.壁、天井、床、家具などさまざまな物から熱が放射されている。

「放射熱」は、窓やパソコン、コピー機など、身の周りのさまざまなものから発せられています。
最近はリーズナブルな放射温度計がたくさんあるので、デスクやベッド等自分の居場所周辺の物質温度を測って、熱を放射するモノを遠ざけるようにしてください。思い切って夏用に模様替えしてみるのもありです。

 

6.その他

人間の温熱の感じ方は、次の6つの要素に影響されています。①気温、②湿度、③気流(風)、④放射熱、⑤代謝量、⑥着衣量 それぞれの説明はこちらに詳しいので、ご覧ください。
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kuchosetsubikisokouza_0102/

暑い夏、空気の入れ換え必須の部屋で快適に過ごすためには、これら6つの影響を理解した上で対策を考えると効果的です。

医療現場に負担をかけないよう、今年の夏はいつも以上に暑さ対策が必要ですね。

熱中症予防対策については、こちら。
https://www.wbgt.env.go.jp/



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